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コロナ禍で対人ストレスと承認欲求が低下?検索データでみる日本人の増えた欲求、減った欲求

2020年の検索データをもとに、日本人の欲求の変化を分析した興味深い記事をご紹介します。

「2020年はどんな年だった?」検索データに訊いてみる

Yahoo!JAPANの検索・人流データ分析ツールDS.INSIGHTによると、2020年3月~11月に最も日本人に使い方が調べられたのは、性別や年代を問わず「Zoom」や「Teams」などのオンライン会議ツールでした。このことから、日本全体でテレコミュニケーションがトライされていたことがわかります。

また、探りたいことに応じて、第2キーワードは様々なものが考えられます。「〇〇 断り方」でみれば、日本人が今一番断りたいけど断りにくいと思っているものが。「〇〇 レシピ」でみれば、今一番作り方を知りたい料理がわかります。

2020年のゴールデンウィーク中に一番検索された「断り方」は「オンライン飲み会の断り方」でした。緊急事態宣言中に一気に広がったオンライン飲み会ですが、このころには既に引き気味な人も出てきていたようです。

このように検索データには人々がこれから行おうとしている「動詞」が大量に含まれている為、分析の切り口も動詞を起点にすると予想外のデータを見つけることができます。

昨年比で検索量が増えた、減った行動は?

幾つかの第2キーワードを含む検索について、コロナ禍が本格化して以降、2020年3月~11月の検索ボリューム前年比を下記にご紹介します。「増やし方」「育て方」「使い方」を含む検索が大きく増加し、一方で、「ストレス」を含む検索は減少していることが分かります。

・〇〇 増やし方:前年比+64.2%
・〇〇 育て方:前年比+53.3%
・〇〇 使い方:前年比+41.7%
・〇〇 ストレス:前年比-27.4%

具体的に見てみると、前年比+64.2%となった「〇〇 増やし方」では、ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」のゲーム内キャラクターやアイテムの増やし方を調べる検索(例:「あつ森 住民 増やし方」「あつ森 ベルの増やし方」など)が、緊急事態宣言の発令された4月~6月にかけて非常に多く行われました。ステイホーム中の日本で多くの人がこのゲームで遊び始めたことが分かります。

一方で、「お金の増やし方」の検索ボリュームは前年比-28.3%と減少しています。コロナ禍で経済活動が自粛される中、生活者の心理から「得られるお金を更に増やしたい」という攻めの姿勢が減じ、「今の水準をできるだけ維持したい」という守りの姿勢が強まったことが伺えます。

言葉への感度が上昇した一方で、ストレスは減少した

「使い方」を含む検索では、冒頭に紹介したようにZoom、Teamsなどテレワークのためのツールが全年代に検索されましたが、対人関係のオンラインシフトの影響は意外なところにも現れていました。その一つが、書き言葉への感度の上昇です。

中でも、「御中の使い方」は2019年に最も検索された言葉の使い方でした。その検索ボリュームが、コロナ禍でさらに約4割増加しています。他に「各位」「ご無沙汰しています」「存じます」「遅ればせながら」など、ビジネス上よく使われる言葉が軒並み前年比で上昇しました。これらはメールだけでなくチャットも多用されるようになったことから、あらためて文章上の言葉遣いが合っているのか、気になる人が増えたのでしょう。2020年は言葉への敏感さが上がった一年だったとも言えます。

一方で、昨年比で減少した第2キーワードもあります。「ストレス」を含む検索量は前年比で-19.0%となりました。2019年は年度明けの4月~6月に検索量が増えていたのですが、2020年はその山が見られなかったのです。もちろん、「コロナ ストレス」などの新しい言葉は検索されたものの、「仕事 ストレス」や「ストレス性胃腸炎」といったこれまで大きなボリュームを占めていた仕事関連のストレス検索ボリュームが減少。リモートワークになったり、会食などのつきあいが減少することで、対人関係のストレスは減少したと考えられます。

理想の自分を追わなくなった生活者

もう一つ興味深いのは、「好きな人に好かれる方法」「自分に自信を持つ方法」など、承認欲求を満たしたい、自己肯定感や他者評価を高めたいという気持ちが伺える検索が軒並み減少していることです。そんな検索をする人がいるのか、と思われる方もいると思いますが、2019年3月~11月では延べ19万人以上、2020年同月でも延べ12万人以上がいずれかの検索をしたと推計されています。これは「エクセル 使い方」を検索する人(2019年13万人、2020年11万人)を上回るボリュームです。

●2020年3月~11月の検索ボリューム前年比(出所:ヤフー データソリューションDS.INSIGHT)
・好きな人に好かれる方法:-58.2%
・写真写りが良くなる方法:-40.3%
・かわいくなる方法:-:37.3%
・自分に自信を持つ方法:-28.8%
・やりたいことを見つける方法:-18.3%
・自分を好きになる方法:-14.0%

このデータは様々な読み方が可能です。家にこもった結果、他人と自分を比較して悩むことがなくなったのでしょうか。あるいは、そもそも理想の自分像を追うより対処しなくてはいけない現実があるからなのでしょうか。

2021年以降はどうなる?

詳細並び続きは記事元にて